そんな中、1人の友人が相談にやってきた。
いつものように簡単にアドバイスすればいい、というレベルじゃない。
年収を上回る借金。そう、多重債務だ
放っておけば間違いなく自己破産。
そんな彼を自力で更生させるために行った悪あがきの一端を紹介しよう。
借金地獄脱出記 | クレジットカード限度額 | ブラックリスト入りの恐怖 |
ある日、高校時代からの友人Aから1本の電話が入った。
久しぶりに近くに来たから合わないか、ということだった。
彼は僕が過去カード狂いだったことを知っているため、
近場の安い居酒屋で1杯飲むことにした。
その日が訪れ、久しぶりに会った友人との談笑を楽しんでいたのだが、
何杯目かのビールを注文した時に、彼は言った。
A「なぁ・・・急で申し訳ないんだけど・・・」
ほら来た。
旧友が突然誘ってくることなんて大体内容は決まっている。
なんかの勧誘か借金のお願いだ。
A「必ず返すから、5万円貸してくれないか?」
言っている方はプライドも捨てて、ギリギリの気持ちでこれを口にするのだろう。
しかし、この状態の深刻さは、僕は十分すぎるほどわかっている。
僕「大変そうだな。で、いくら借りてるんだ?」
友人はぎょっとしたような顔でこちらを見る。
普通の人なら事情を聞くのだろう。
しかし僕はここで事情を説明する人間の心境を知っている。
借りられるかどうかくらいしか頭に無いはずだ。
いちいち事情を聞いたところで何の生産性も無い。
A「全部で200万くらいかな・・・」
『全部で』『くらい』
なるほど、多重債務で少なくとも200万以上の借金があるらしい。
僕「僕から5万借りたところでその場しのぎにしかならないだろ。
それにそんな状態だったら貸したって返ってこないよな。」
その月、その月をどうにかすることしか考えていない。
手元に金がある時だけ安心して次の支払いが近付くまで深刻に考えない。
借金狂いの人間なんて大体こんなものだ。
僕も同じだったからわかる。
話を聞いた以上、どうにかしてやらないといけない。
◆積み上がった借金◆
僕「今をしのぐための金なら貸さない。でも本気でその状態を抜け出すつもりなら助けられるかもしれない。」
こんな言葉は彼にとっては聞き飽きてるかもしれない。
でも僕には本当に出来る。彼が本気なら。
僕も同じ多重債務者だったから。
A「どうやるっていうんだよ・・・」
僕「まずはどこからいくら借りてるのか。それを教えてくれないか?」
友人はしぶしぶ話し始めた。
なんだ、大したことないじゃないか。それが初めの印象だった。
借入先 | 借金残額 |
クレジットカードD社 | ショッピング50万 |
カードE社 | ショッピング50万 キャッシング30万 |
カードJ社 | ショッピング30万 |
消費者金融A社 | キャッシング50万 |
消費者金融A社 | キャッシング30万 |
250万あるじゃないか・・・
まぁそこまでは想定通りだ。
この5つの借入先に、それぞれ月3万ずつ払い続けているらしい。
3万だとこの借入金額だと半分近くは利息として取られているだろう。
僕「まぁ見事に限度額いっぱいまで使い切ってるな・・・」
一枚一枚状況を確認してみたところ、どうやら多重債務の原因はショッピングから始まったらしい。
良く陥るパターンだ。ショッピング自体はカードを使っていても気楽なものである。
始まりはリボ払い
個人的には多重債務者の5割くらいはここから始まっていると思っている。
彼もまた、そこから崩れ始めたのだった。
月々の支払額が一定になるリボ払い
「私はちゃんと返していけるから大丈夫。」
これ以上カードは使わないし」
金利がきついってよく言うけど、せいぜい数千円じゃん。」
さて、ここからなぜリボ払いから泥沼にはまるかを説明しよう。
もう手遅れだが、知っておくべきだ
リボ払いはよく金利がひどい、と言われている。
それも事実だが、泥沼の人間については問題はそこではない。
使用額=翌月支払額ではない、という事実を作り出してしまうことだ。
どんなに使っても月々の支払額は一定、というリボ払いの仕組みは
債務額を多くするために用意されているようなものである。
計画性なんていうものはリボ払いに慣れてしまった人間には存在しない。
毎月同じ金額さえ口座に入っていればいいからだ。
払っているわけなので借金は減っていると考えてしまうだろうが、
実際は借金は増え続けているのだ。
一定額の支払に慣れた人間は、収入が一定あったとしても、
その支払額を引いた金額が生活費になる。
しかしカードは使うのだ。クレジットカードの限度額限界までは使い続けられるから。
今すでに終りが見えない支払いを続けている人も考えてみてほしい。
急に少し大きめな出費が確定したらどうするか、を。
そこでクレジットカード払いを考えた場合、要注意だ。
残った限度額を見て愕然とするだろう。
近い将来、限度額を超過する。
そうなったら『終わり』だ。
そこで他の借り先に手を出すことはその時点では考えないだろう。
しかし、断言できる。あなたは探すはずだ。新しい借り先を。
そのあとは言わなくてもわかるだろう。一定額支払い続けていても借金は減っていかないのだ。
100万、200万などあっという間である。
さて、友人の状況を確認したわけだが、この程度なら本人の強い意志さえあればどうにでもなる。
今の彼の支払は月15万。月の支払を10万+利子くらいで抑えれば2年で完済だ。
しかし借入先が5社、しかも高金利のリボや消費者金融が相手では5年はかかる。
僕「2つ方法がある。一つは強い決意がいるけどリスクはない。
もう一つは色々リスクもあるけど手っ取り早い方法。
どっちがいい?」
A「リ、リスクって?」
僕「いわゆるブラックリスト入りする可能性が高いね。」
友人はそれを聞いた瞬間、強い決意がいる方を選んだ。
今更ブラックリストなんて気にしなくてもと思ったのだが・・・
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